くらし
2019/05/21

「会社ごと移住する」という新選択。5年間 家賃&通信費無償など充実の企業誘致制度

最大5年間、オフィス賃料無償のエリアも

さらに調べていくと、広島県内には、最大1億円の助成メニューとは別に、オフィス賃料が大幅にカットできる地域があった。「地域活力創出型オフィス誘致促進助成」という制度で、県と市・町が連携して行っている。たとえば政令指定都市の広島市や、新幹線のぞみ号が停車する福山市では3年間、歴史的な町並みやワイナリーのある三次(みよし)市では5年間も、オフィス賃料が実質タダになる。
 
(写真=NATIV提供)
(写真=NATIV提供)
助成制度を利用するには、注意すべきポイントもある。まず、助成内容や条件は変更される可能性があること。今回紹介した広島県の制度https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kigyourittiguide/subsidy.htmlは2018年度時点のものだ。また、業種や従業員数など県や市・町が定めた条件を満たし、進出前に申請手続きを開始する必要がある。さらには、助成金はそれぞれ上限が設けられており、実際に受け取れるのは少なくとも事業を開始して1年以上経過した後だ。これらの情報がWEBサイトに詳述されているので、よく確認してほしい。

役所の担当者がワンストップでフルサポート

広島県では、進出を検討する企業からの相談を県内投資促進課の担当職員が一手に引き受ける。助成制度の説明や申請書類作成時のサポートを行うだけでなく、オフィス物件の視察に同行したり、別部署や市役所との橋渡し役をかってでたり、外国人スタッフや家族の移住が多いケースでは生活に関する情報提供も積極的に行うという。準備段階から密にやりとりを行うので、進出するころには、担当者同士の絆が生まれていることも珍しくない。

ところで広島県は、製造品出荷額は中・四国、九州エリアで12年連続トップ(※1)と、すでに活発なビジネス環境を誇っている。それなのに、なぜここまで積極的に企業を誘致するのか。

背景には、「イノベーション立県の実現」という目標がある。県外・国外からさまざまなプレイヤーを呼び込むことで、地域全体に刺激を与え、新たなビジネスを加速させたい考えだ。

同時に、増える移住希望者に対して、多様な就職先を確保したいという側面もある。広島県は、「仕事をしながら暮らせる地方」として、4、5年前から現役世代の支持を集めており、今では西日本No.1(※2)の人気ぶりだ。大学進学率第4位(※3)と、教育熱心な地域でもある。県外に進学・就職した広島出身者がUターンするケースも多い。

「実は私も東京で進学・就職したUターン組なんです。コンパクトな都市と子育て・教育環境が移住の決め手となりました。3人の息子たちが成長したときに、広島県が今よりもっと“おもしろい場所”になっていれば。そのためにもチャレンジ精神にあふれた企業に来てほしいですね。」(八巻さん)

さて、上司に地方進出をプレゼンしてみたものの、望みが薄そうだと感じたら、ひろしま就職応援サイト「GO!ひろしま」を見よう。広島県内の就職事情がまとめられている。

●広島進出企業が利用できる助成制度https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kigyourittiguide/subsidy.html

●ひろしま就職応援サイト「GO!ひろしま」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-uij/

(注記)
※1:経済産業省「平成28年経済センサス―活動調査」より
※2:NPO法人ふるさと回帰支援センター調べ「移住希望地域ランキング2017年」
※3:文部科学省「平成29年度学校基本調査」より
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