くらし
2018/08/11

海外受け・インスタ映えも?松本市が誇る伝統工芸「松本てまり」

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
懐かしの遊びとして知られている「てまり」。以前は子どもの遊び道具だったのですが、最近では美しく繊細な柄が注目を集め、伝統工芸品としても有名になっていることをご存じでしょうか。そのためか近年、海外に紹介される機会も増えています。

独特の色使いのてまりやインテリアやアクセサリーとして利用される小さいてまりなど、全国各地にさまざまな特徴を持つてまりがあります。その中でも今回は江戸時代から歴史が続く信州松本の「松本てまり」を紹介します。

松本はてまりの街?その始まりと街の人々への広がりについて

松本てまりの製法は江戸時代中期、1750年ごろに確立したといわれています。武家の娘たちが家計を助けるために作るようになったのがその始まりだそうです。その後、武家の娘たちだけでなくお姫様や庶民の娘たちも作り始め、てまりは松本の文化のひとつになりました。

現在でも松本では、てまりが非常に身近な存在です。例えば、街中にあるマンホールの蓋の絵はてまり柄です。このマンホールデザインはマンホール蓋デザインカード「マンホールカード」にも採用され、松本市観光情報センターで配布されています。

また、松本の高校生たちが開発した落果・傷ありリンゴを使ったドライフルーツの名前は「てまりんご」です。この商品を販売するにあたり高校生たちから300ほどの名前の候補を集めました。その中から選ばれたのが、このてまりんごという名前です。若い世代にも「松本=てまり」が浸透していることがよく分かるエピソードではないでしょうか。

全て手作り?松本のてまりにはどのような特徴があるの?

松本てまりの特徴といえば、何といっても全て手作りであるところでしょう。最近のてまりは芯の部分が発泡スチロールでできており、その上に糸を巻き付けていくことが多いようです。しかし、伝統的な松本てまりの製法では芯材を別のものに頼らず、繭玉に木綿の糸を巻き付けるところから始めます。そして、最終的に丸い形に仕上げるのですが、この工程が非常に難しく熟練の技が求められるそうです。芯の部分には豆を入れて音が鳴るようにする場合もあります。

その後「地割糸」と呼ばれる糸でてまりの模様の元になる部分を作ります。それが終われば色糸で模様を縫う工程です。もちろん、一針一針手縫いの作業です。紹介した通り、松本てまりは非常に手間暇をかけて作っていて、中には完成まで2ヵ月以上かかるものもあるそうです。このてまり作りの技術は1962年に発足した「松本てまり保存会」が伝え続けています。

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