くらし
2017/09/29

富士山頂には住所がない?!富士山の知られざるトリビア

(写真=jiteko_Shutterstock.com)
(写真=jiteko_Shutterstock.com)
日本で最も高い山である富士山は、観光地としても人気を博しており、夏になると登山客で賑わいを見せます。2013年には世界文化遺産にも登録され、世界的に知名度が上がりました。

しかしながら富士山について、「最も高い山であり、観光地であること以外は実はよく知らない」という人も多いのではないでしょうか。今回は、富士山の知られざるトリビアについて紹介します。

富士山頂には住所がない?富士山の県境をめぐるトリビア

富士山は、静岡と山梨にまたがっています。しかし、国土地理院の地図をみると、富士山頂付近は住所がありません。

実は富士山の山頂を巡る争いは、江戸時代からあったのです。駿河の国(今の静岡)と甲斐の国(今の山梨)には、富士山の帰属を巡る論争があったそうです。その後も県境についての議論は何度かありましたが、現在では静岡、山梨の両県知事ともに「議論の対象としない」との考えで一致しています。

そのようなことを経てきたため、現在も県境はありませんが、2014年に国土地理院が誤って静岡と表記した際は、山梨側から抗議があったそうです。現在、富士山の住所は未定ですが、郵便番号は決まっています。富士山の郵便番号は、「418-0011」で、富士宮郵便局の扱いになります。また、富士山頂にある電話の市外局番も、富士宮市の扱いです。

富士山は誰のもの?所有をめぐるトリビア

富士山頂は県境がないので国有地かと思いきや、実はちゃんとした所有者がいるのです。富士山は、八合目から山頂までは富士山本宮浅間大社、通称・浅間神社が保有しています。ただし、一筋縄で保有できたわけではありません。江戸時代に、徳川家康から寄贈された形で保有を始めたのですが、最終的に浅間神社のものと認められたのは、21世紀に入ってからでした。

江戸時代は浅間神社の所有であった富士山頂ですが、明治維新後の1871年に国有地化。太平洋戦争後、全国で国有化された土地が寺社へと返還されましたが、富士山頂だけは返還されませんでした。これを巡って1948年、浅間神社が国を相手に裁判を起こしました。

裁判は長引き、1974年の最高裁判所の判決によって、あらためて浅間神社のものと認められたのですが、それでもなかなか返還されず、最終的に返還されたのは2004年のことです。現在は、浅間神社の奥宮になっています。

富士山の世界遺産は仮登録だった?世界遺産に関するトリビア

富士山が世界文化遺産に登録されたのは2013年です。「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」として、世界文化遺産として登録されました。しかし、実はこの登録、さまざまな改善プランの提示が必要な「条件付き」の状態だったのです。

一般的に、世界遺産は、世界自然遺産と世界文化遺産に分かれます。今回は、富士山がかつてから信仰の対象であったこと等が評価され、文化遺産として登録されています。

世界遺産は、国際記念物遺跡会議、通称イコモスと呼ばれる団体の審査により、世界遺産として登録されるかどうかが決定します。富士山は2013年に登録が認められたものの、裏では他の世界遺産にはない注文がついていました。富士山のさまざまな環境問題を指摘し、2016年2月1日までに「保全状況報告書」という環境保全策を提出する必要がありました。

過去の世界遺産のケースを見ると、ドイツでは世界遺産に橋をかけたため、世界遺産認定が取り消されるなどのケースや、報告書の提出が求められるケースもありました。しかし、事前に注文がついたケースは、極めて稀だそうです。

主に、ブルドーザーが通る道の対策や、五合目周辺の施設の対策、火山に対する備えなどの改善を求められていました。これを受けて、富士山世界文化遺産協議会は、2016年1月に保全報告書を提出しています。

他にも、小さなトリビアはいくつもあります。ぜひ、新幹線で富士山が見えたら、こういったトリビアを思い出してみてください。
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