グルメ
2019/03/20

甲乙つけがたい明方ハムと明宝ハム、岐阜の2大ブランドハム

ハム戦争によって生まれた明宝

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
このように、村と当時の農協の対立によって生まれたのが明宝ハムです。国産豚肉を100%使用し、保存料無使用、添加物もなるべく使わずに作られたハムは、多くの人の舌を喜ばせています。1992年に村名まで変えた明宝村でしたが、2004年に八幡町、大和町、白鳥町、高鷲村、美並村、和良村と合併し、郡上(ぐじょう)市となりました。

工場の移転先であった八幡町と合併されたことで、明宝ハムと明方ハムは、現在郡上市の特産品として、セット販売もされています。かつて、村の特産品として愛されてきた明方ハムと、当時の農協への反発から生まれた明宝ハム、どちらも郡上市の名産品として、地元の人々に愛され続けているのです。

岐阜のハムのおいしさの秘訣

明宝ハムと明方ハム、どちらも姿かたちがよく似ています。円筒形の独特な形は、日本で独自に生まれたプレスハムの形状です。明宝ハム・明方ハムのプレスハムは、細切れにした肉を熟成させた後に味付けし、フィルムに詰めてから加熱・冷却を行います。

使用される肉は100%国産豚肉ですが、岐阜県内の豚肉だけでは足りず、他県産の豚肉も使用しています。もともとプレスハムは、手に入れやすい廉価なハムとして開発されています。そのため、一般的にはかたまりにならない小さな肉(豚肉、馬肉、羊肉など)を寄せ集めて作るものですが、明宝ハム・明方ハムは冷凍していない新鮮な豚肉を小さく切って豚肉のみで作り上げています。

豚肉そのものの旨みが味わえるのが、明宝ハム・明方ハムの特徴です。ちなみに味は、明方ハムのほうが塩分強めとなっています。

岐阜のブランドハムをめぐる村民たちの熱いストーリー

生産増強に向けて、あえて旧明方村の方針とは違う方向に進んだ農協側の取り組みと、その後新たな会社を作り上げ、村名まで変えてしまったパワフルな明宝村の人々の熱意。それぞれ違う会社でハムを作り続けることになったものの、ハムを愛し、ハム作りに情熱を注ぐという行動は両者に共通しているものでした。

合併によって同じ市となり、その後どちらも特産品としてともに販売されるようになったというストーリーもまた、両社のファンを引き付ける一つのエッセンスとなっているのではないでしょうか。岐阜の2大ブランドハム、ぜひお取り寄せしてその味の違いを確かめてみてください。


このコラムは2019年2月時点の情報をもとに制作したものであり、現時点において最新の情報ではない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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