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2018/06/20

大手も参入へ!鹿児島産のコーヒーや和紅茶に注目

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
地産地消やオーガニック食品のブームに乗って、国産のコーヒーや紅茶のニーズが高まっています。それを受けて、鹿児島の離島では、比較的人口の多い徳之島ではコーヒー、屋久島では紅茶など、コーヒーや紅茶を国内生産する試みが少しずつ広がっています。その背景には、地球温暖化や日本の農業の変化によって「コーヒーや紅茶といえば赤道に近い地域で収穫されるもの」というイメージが変わりつつあることが挙げられます。

沖縄、小笠原と並んで数少ない国内コーヒーの生産地である徳之島。全国に先駆けて本格的な国産コーヒーの量産化のため、プロジェクトが立ち上がりました。ここでは、鹿児島からスタートしている日本のコーヒーや紅茶の生産について、その現状や今後の展開などをご紹介します。

徳之島はコーヒー栽培の北限地

鹿児島の奄美群島の1つである徳之島。徳之島では、古くからサトウキビを中心とした農業や漁業が行われてきました。そんな徳之島のコーヒーが注目され始めたのは2017年です。新しい農作物の試みとしてコーヒー栽培に乗り出す農家が登場し、本格的な生産へと力を入れたことに始まります。

まず、地元の宮出珈琲園が自然に優しい農法で栽培されたオーガニックコーヒーの実現のため、クラウドファンディングをスタートしました。宮出珈琲園は2007年にコーヒー栽培を開始。栽培方法を模索する間には、台風により2,500本のコーヒーの木が全滅する悲劇もありましたが、2017年にようやく300本の初収穫に成功しています。オーナーの宮出さんはコーヒーの生産者であるとともに、コーヒーの焙煎も手がけるロースターでもあります。宮出さんはその双方の立場から、コーヒーの世界を変えようと奮闘しているのです。

世界的に、コーヒーはプランテーション農園で大規模に栽培されています。これまでのコーヒー栽培は農薬を大量に使う上に数年で土地が痩せるため、未開拓だった森林を新たに切り開くなど環境保護の観点からも問題視されてきました。

コーヒー栽培に適した地域を「コーヒーベルト」と呼びます。赤道を中心に、熱帯や亜熱帯の限られたエリアのみがコーヒーベルトに該当します。徳之島は亜熱帯性気候に属しています。徳之島では約37年前、現在の徳之島コーヒー生産者会の会長である吉玉誠一さんによって無農薬コーヒー栽培の試みが始まりました。

その理由は、徳之島がコーヒーベルトの北限として、コーヒー栽培に必要な年間の降雨量、平均気温、可照時間、土質の条件が揃っていたためです。ただ、徳之島の一帯を考えると、中近東や南米、東南アジアといった産地に比べると、気候や台風といったハンディキャップでコーヒーの木がうまく育ちにくいといわれています。

台風対策や設備面で大きく支出がかさむため、個人農園ではどうしても限界が生じます。そこで2017年に入り、徳之島コーヒー生産者会は町会や複数の企業と提携して、コーヒーの量産化と後継者対策を目的とした大きなプロジェクトを動かし始めたのです。

大手コーヒーメーカーAGFが参入

徳之島のある奄美群島は台風の通り道で、毎年風水害に悩まされてきました。徳之島でもっともコーヒー栽培の盛んな伊仙町では、コーヒーの木が倒される、収穫前に実が落ちるなど、これまで台風との戦いを続けてきた歴史があります。台風による風水害の被害とどう向き合っていくのか。本格的な量産体制に入るため支援に乗り出したのが、大手嗜好飲料メーカーの味の素AGFです。町や徳之島コーヒー生産者会、総合商社の丸紅と連携して徳之島コーヒー生産支援プロジェクトを立ち上げ、AGFコーヒー実証農場にアラビカ種を植えました。

プロジェクトは、2016年度、栽培本数約600本、年間収穫量約70kgだったコーヒー生産を2021年までに1万本、10tまで増やしていく計画で、今もなお進行中です。

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