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2018/06/19

中津派?宇佐派?大分の仁義なき唐揚げ戦争

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
大分の鶏料理で、大分市のとり天よりもポピュラーな存在なのが鶏の唐揚げです。なかでも中津市と宇佐市は、互いに“唐揚げの聖地”と名乗りをあげるほどの人気ぶりです。両市が誇る唐揚げとはどのようなものなのでしょうか。

大分を代表する鶏料理となった唐揚げの歴史

現在、唐揚げは中津と宇佐、どちらでも人気を集めていますが、その歴史は宇佐市の方が古いようです。

宇佐の唐揚げの始まりは1960年前後です。宇佐市四日市で中華料理を提供していた来々軒の店主・福田昌生さんが、当時農協に勤務していた義弟から受けた相談がきっかけでした。販売できなかった鶏肉をどうにか有効活用できないか、と相談された福田さんが、安価でもらい受けた鶏肉を唐揚げに加工し、お店で「鶏からあげ定食」として販売を開始したところ、低価格で美味しい唐揚げが楽しめると人気になったのです。

すると、鶏からあげ定食の存在を知った居酒屋「庄助」が、鶏の揚げ方について教えてほしいと来々軒に依頼。快く引き受けた福田さんは、唐揚げの製法を伝授します。来々軒仕込みの唐揚げを作れるようになったことで、庄助は居酒屋から唐揚げ専門店・からあげ庄助へと業態を変更。このとき、大分の北部で初めて唐揚げ専門店が誕生したことから、宇佐市は唐揚げ専門店の発祥地とされています。

唐揚げの人気は宇佐市だけに留まらず、隣に位置していた中津市へと浸透。専門店として「森山からあげ店」や「細川」がオープンするなど、中津市民にも安くて美味しい唐揚げを楽しむ文化が定着していったようです。

2つの唐揚げに見られる違いは?

中津唐揚げの特徴は、鶏肉に醤油やニンニク、ショウガなど店舗ごとに異なる下味を染み込ませるところにあります。しっかりと味付けをした鶏肉に薄く衣を付けて揚げることで、食べた時に衣のカリッとした食感と口いっぱいに広がる鶏肉のジューシーな旨みを楽しむことができます。揚げたての唐揚げを提供するのも中津唐揚げの魅力です。

また、中津唐揚げは揚げ油にも秘密があります。揚げるにつれて、揚げ油には傷みや汚れが生じますが、中津市ではその汚れのみを除去し、減った分だけ新しい油を足すのだそうです。継ぎ足しを繰り返すうちに、揚げ油には鶏肉から染み出たエキスが凝縮され、旨みをたっぷり含んだ油で揚げることで、中津市民に長く愛される中津唐揚げが生まれるのです。

一方の宇佐唐揚げも、揚げる前に醤油・塩にフルーツやニンニクなどをブレンドしたお店オリジナルの特製ダレを染み込ませ、揚げたての状態で提供するなどの工夫をしています。加えて、冷めても美味しく味わえること、調味料を付けなくても美味しい、テイクアウトOKといった点も宇佐唐揚げのポイントです。

宇佐唐揚げで地元を盛り上げるべく結成された「USA☆宇佐からあげ合衆国」いわく、商品ごとに見られる個性が宇佐唐揚げ最大の特長だそうです。

>>(次ページ)中津と宇佐、唐揚げにまつわる話
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