グルメ
2017/12/29

コシヒカリ発祥の地・福井の新しいお米「いちほまれ」に注目

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

「日本一(いち)美味しい、誉れ(ほまれ)高きお米」になるようにとの願いが込められた福井の新品種「いちほまれ」は、2017年現在、翌年秋の本格販売に先駆けて福井と東京の一部で販売されています。販売価格はコシヒカリと同程度ながらも売れ行きは好調で、食べた人の評判も上々のようです。

今回は、そんな6年もの歳月をかけて開発された「いちほまれ」と、本格販売に向けた福井の取り組みについて紹介していきます。

20万種の選定から開始した新ブランド米の開発


「いちほまれ」開発プロジェクトが開始されたのは2011年5月のことです。いもち病への耐性があり、農薬をほとんど必要としない、それでいて美味しい品種のお米を作るべく、福井県農業試験場に「ポストコシヒカリ開発部」が新設されました。

はじめは、福井県農業試験場が持つ経験と交配技術を用いて育てた、新ブランド米になり得る水稲の田植えから開始されました。水稲の数はなんと20万種にも及んだそうです。栽培中は出穂の時期や病気への耐性、実り具合など品種ごとの違いを細かく調査し、収穫時期を迎えた稲穂は全て手作業で刈り取りました。

ハサがけをして乾燥させた後には、コシヒカリを超える綺麗な見た目の玄米を探すべく1粒ずつ調査・選別の作業です。こうして20万種から始まった新品種候補の水稲は、1万2,000種にまで絞り込まれました。

同時に、「ポストコシヒカリ開発部」では「DNAマーカー」と呼ばれる選抜方法を全国でいち早く取り入れ、稲の遺伝子を調査します。猛暑でも良く育ち、味も美味しい高品質のお米になる遺伝子を持つ品種を選抜したのです。

人の味覚に合わせた品種開発

 

(写真=PIXTA)
(写真=KPG_Payless/Shutterstock.com)
「新ブランド米」開発に必要とされたのは、手作業と最先端技術の他にもうひとつ、人々の味覚でした。

まずは消費者と料理人およそ1,500人を対象に、多くの人々に好まれるお米の味と食感に関する調査がなされます。その結果をもとに研究者による実食とお米の分析・測定を重ね、コシヒカリ以上の品質と美味しさのお米ができあがったのです。新品種の完成には、2011年5月から2014年までのおよそ3年間を要したそうです。

2015年には福井県内の農業者に新品種の栽培を依頼し、そこからさらに選抜が始まります。翌年は最終選考まで残った4品種を福井県民に食べ比べてもらい、各品種に対する評価を収集しました。これに専門家の評価を加味し、福井が「新ブランド米」を決定、2016年12月2日にとうとう新たな福井のブランド米「越南291号」が誕生したのです。

「越南291号」のデビューに向けて名称を募集した際、2016年12月20日からの約1ヵ月の間でなんと10万以上もの応募が殺到したことからも、その注目度の高さと期待値が窺えます。近年猛暑続きで米の品質低下が危険視されている中、お米のトップブランドであるコシヒカリを超える品種「いちほまれ」はこうして誕生したのです。

>>(次ページ)力の入る「いちほまれ」のPR
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