経済
2019/02/08

小さな世界都市を目指して。兵庫県豊岡市の先進的な街づくり

コウノトリのまちとして。エコバレーの実現を目指す

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

豊岡市ではより一層魅力的な街をつくるために、経済と環境が共鳴する環境都市「豊岡エコバレー」の実現も目指しています。その施策の一環として進めているのがコウノトリツーリズム(エコツーリズム)です。

コウノトリは、絶滅危惧種として保護が進められている鳥です。かつて、日本全国でその生息が確認できていたコウノトリも、土地の開発が進むにつれて減少し、1971年には大空を飛ぶコウノトリの姿が見られなくなってしまいました。豊岡市では、長い間コウノトリの野生復帰に向けた取り組みを行っており、1989年に人工繁殖に成功した後、1992年からは野生復帰計画を開始。2002年に入ると、飼育のコウノトリは100羽を超え、さらに野生のコウノトリ「ハチゴロウ」が飛来し定着して、話題を呼びました。

2005年にコウノトリの試験放鳥を始め、2007年には放鳥したペアからヒナが誕生し、46年ぶりに人工巣塔からヒナの巣立ちが観測されました。その後も環境保護とコウノトリの保護が続けられ、「コウノトリ育む農法」と名付けられた水田づくりも開始。今では、田んぼの中でエサを捕るコウノトリの姿が見られるようになりました。

豊岡市ではコウノトリの生息地域を保全する活動と観光を融合させたコウノトリツーリズムの他にも、環境経済型企業の誘致推進や自然エネルギーの利活用などを通して「豊岡エコバレー」を実現させようとしています。

一連の取り組みは、他の自治体や政府からも注目を集めており、年間を通して視察も数多く行われています。これは豊岡市が、小さな世界都市として認められてきた一つの証明といえるのではないでしょうか。

官民が一体となったさまざまな取り組み

上記で紹介したコウノトリ育む農法で作られた米は、「コウノトリ育むお米」として、たじま農業協同組合のオンラインショップやファーマーズマーケット「たじまんま」で販売されています。生産者、行政、JAが一体となり、コウノトリの保護活動の中で生まれた無農薬米をブランド化して販売したものです。

2016年にはDMO(観光地域が一体となって観光マネジメントを行うための組織)である「豊岡観光イノベーション」が設立され、官民連携で旅行商品のWEB販売を開始し、インバウンド誘致も積極的に行ってきました。これも小さな世界都市を目指す取り組みの一環です。

2008年に、世界的なガイドブック「ロンリープラネット」で豊岡市の城崎温泉が紹介されたこともあり、豊岡市を訪れるインバウンドは増加の一途をたどっています。

独自の資源を守り活用することで成功した豊岡市の地域創生

街の魅力を発掘し、守り、活用してきた豊岡市は、小さな世界都市として情報発信を続けたことで、国内だけでなく海外からも大きな注目を集めることができました。そして、インバウンドの誘致にも成功したのです。小さな子どもから大人まで市内のすべての人が街づくりへの高い志を持ち続けることで、豊岡市はさらなる発展を遂げられるのではないでしょうか。


このコラムは2019年1月時点の情報をもとに制作したものであり、現時点において最新の情報ではない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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