経済
2018/09/13

出発も到着も聖地?巡礼路・熊野古道とスペインの意外な関係

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
世界遺産になって以来、世界中から観光客が訪れる熊野古道。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の熊野三山へと通じる参詣道の総称です。現在まで伝えられている主な古道は5つあり、とりわけ三重県の伊勢神宮と熊野三山を結ぶ全長約200キロの「熊野古道伊勢路」は、始点と終点の二大聖地を結ぶ長大なもので、世界的にも珍しい巡礼路といわれています。

世界遺産のうち100キロを超える規模の巡礼路はスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」のほかには見当たらず、熊野古道は歴史的にも宗教的にも高い評価を受けてきました。

ここでは、日本を代表する2つの聖地をつなぐ熊野古道とスペインとの意外な関係や海を越えた交流についてご紹介します。

熊野三山と熊野古道の歴史

熊野三山は、熊野本宮大社、熊野新宮大社、熊野那智大社の3つの聖地の総称でその歴史は2,000年以上もさかのぼるといわれています。

中でも、平安時代から鎌倉時代にかけては「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど、参詣客が押し寄せていた時期がありました。時の上皇や女院はもとより庶民までもが熊野を目指して旅したのです。そんな熊野参詣に使われた街道を熊野古道と呼んでいます。

熊野古道は主に5つのルートがあり、田辺から熊野本宮を目指す中辺路(なかへち)、田辺から紀伊半島を海岸に沿いに那智や新宮へと結ぶ大辺路(おおへち)がよく使われています。また、高野山や吉野・大峯エリアを含めた一帯が「紀伊山地の霊場と参詣道」に世界遺産登録されたことで、小辺路(こへち)や大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)も知名度が上がっています。

こうした中、パワースポットブームを受けて伊勢神宮と熊野三山を結ぶ伊勢路が脚光を浴びるようになりました。

伊勢路は伊勢神宮から紀伊半島をぐるりと南下して熊野三山を目指すという一石二鳥のありがたいルートです。江戸時代になると、お伊勢参り(お蔭参り)が盛んになったことから、伊勢神宮参拝を終えた旅人が熊野詣をするための道として整備が進みました。

江戸の庶民に伊勢へ七度、熊野へ三度といわれるほど人気を集めた2つの聖地。他の多くの巡礼路は、小さな聖地に立ち寄りながら旅するものや、終点の大きな聖地を目指すというルートが一般的です。一方、伊勢路は、日本を代表する二大聖地を結ぶという世界的に見ても珍しい巡礼道となっています。

難所続きで聖地を目指す伊勢路

伊勢路は熊野古道の中でも昔の面影を色濃く残しているといわれます。熊野古道の石畳の風情、爽やかな風の走る竹林、そして険しい峠道を上り詰めた先に広がる紀州灘の雄大な風景があるのです。歩き旅だからこそ味わえる感動が今も大切に残されています。

すべてを歩き通すには約2週間もかかる長い行程ながら、歩き旅ブームと相まって伊勢路を行き交う観光客の姿も多くなりました。

時間がない人でも車や鉄道などを利用し歩く区間を決めれば、ハイキング感覚で楽しむことができます。

>>(次ページ)サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路とは
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