経済
2018/07/12

苦節30年。待望の国産キャビア誕生秘話に迫る!

(写真=New Africa/Shutterstock.com)
(写真=New Africa/Shutterstock.com)
キャビアといえばロシアのイメージが強く、チョウザメの泳ぐカスピ海やアムール川は世界的な一大産地としても有名です。実は日本でも国産キャビアがあるのをご存じでしょうか?G7伊勢志摩サミットで首脳陣が味わったのは、なんと宮崎産キャビアだったのです。宮崎では1983年に国産キャビアの研究開発がスタート。2015年の商品化まで実におよそ30年という月日がかかりました。

きっかけは「日ソ漁業科学技術協力年次計画」で旧ソ連よりチョウザメの稚魚を譲り受けた6県のなかに宮崎も含まれていたことだそうです。そこで「MIYAZAKI CAVIAR 1983」というブランドで売り出し中の「宮崎キャビア」の誕生秘話に迫りましょう。

世界三大珍味・キャビアとは

フランス料理をはじめ高級料理で使用されるキャビア。チョウザメの卵を熟成したものでカスピ海周辺が主な産地です。「世界三大珍味」と称されるキャビアはそのままスプーンで食べるほか、薄切りのフランスパンやクラッカー、ガレットに乗せたり、魚介類の前菜に添えたりとさまざまな食べ方ができます。また、白ワインやシャンパンとの相性がよく酒の肴としても人気です。なめらかな舌触りで魚臭さもあまりなく、世界中で珍重されています。

チョウザメの乱獲規制で価格高騰

現在、天然キャビアは幻の食材になりつつあります。乱獲によってチョウザメの生息数が激減。2006年にはワシントン条約によって輸出がストップしてしまいました。翌2007年には国際取引が復活して90トンの収穫量が定められたものの、ニーズの高い食材のため価格の高騰が続いています。カスピ海産の最高峰キャビア・ベルーガは12グラム瓶で市場価格1万円前後です。そのため、以前より養殖技術の確立が急がれていました。

国産キャビア研究の歴史は約35年

日本でチョウザメ養殖を初めて成功させたのは宮崎県水産試験場小林分場(現・内水面支場)です。1983年、旧ソ連から漁業技術協力でチョウザメの稚魚が日本に贈られたことがきっかけでした。チョウザメの養殖はすべてが初めて尽くしです。「エサは何を食べさせるのか」「水温や水質といった飼育環境はどうすればいいのか」など、最初は海外の文献を頼りに試行錯誤でチョウザメとつきっきりで過ごす日々が続きます。

チョウザメがキャビアとなる卵を産むまでには10年以上もの長い月日がかかります。飼育の難しさ、出荷までの時間の長さもあって、完全養殖に成功したのは2004年です。なんとスタートから20年が過ぎていました。

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