経済
2018/07/09

もうお父さんのお酒と言わせない!「いいちこ」のブランド展開

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
「下町のナポレオン」として長年親しまれている「麦焼酎いいちこ」は、大分にある三和酒類株式会社が製造・販売しています。晩酌をしている父親の傍らにはいつもその瓶が置かれていた、という家庭もあるかもしれません。

印象的な駅ポスターに個性的なテレビCMで全国の家庭に浸透した「いいちこ」を販売する同社。近年は「庶民派」を抜け出し、さまざまな製品を開発しています。今回は世の父親だけではなく、若者や女性にも広く愛されるお酒を造り続ける、三和酒類株式会社の新ブランド戦略に迫ります。

いいちこの人気と焼酎ブーム

焼酎には麦、芋、米、そばなどの種類がありますが、いいちこを代表とする麦焼酎は、「くさみがなく飲みやすい」ことから飲む人を選ばない焼酎として人気です。

さまざまな種類と銘柄のある焼酎はこれまでに何度もブームを繰り返しています。第1次ブームとなったのが1970年代。このころは、「さつま白波」や「そば焼酎雲海」が人気でした。第2次ブームが訪れたのは1980年代前半のこと。大分の麦焼酎が人気を博したのはまさにこの第2次ブームのころです。

そして、2000年代からの第3次ブームでは「幻の焼酎」を始めとする本格焼酎の人気が高まりました。このころから売上を伸ばしていった芋焼酎は徐々に販売地域を広げ北上し、全国で楽しまれるようになります。

この第3次ブームから飲食店や家庭でも親しまれるようになったのが芋焼酎の「黒霧島」です。芋焼酎独自のくさみがなく、キリッとした飲み口で九州だけではなく全国で人気となりました。株式会社帝国データバンク調べ「焼酎メーカー売上高ランキング」によると、2012年には黒霧島が三和酒類を抜き、販売高で同銘柄がトップに躍り出ています。しかもその後、黒霧島は5年連続で首位をキープ。

名実ともにトップであった三和酒類株式会社のいいちこでしたが、芋焼酎ブームの勢いに押されてしまったといえるのかもしれません。

バー向けのおしゃれな「和ピリッツ」が人気に

これまで焼酎といえば安くておいしい庶民の味でしたが、昨今の本格焼酎ブームでは香りも価格も高いものが人気です。また、本格焼酎ブームが始まってからは芋焼酎メーカーによる競争も激化しています。

焼酎業界にこのような変化が起きている中で、三和酒類は独自の路線に踏み切りました。その挑戦のひとつとして、これまでとは異なるターゲットを意識した麹スピリッツ「TSUMUGI」や海外限定いいちこの開発にいたります。2014年には、いいちこが浸透しているハワイにて「iichiko Bar FRUITS UME」、「iichiko Bar FRUITS YUZU」、「iichiko BLU」を販売。

TSUMUGIは、飲食店の中でもバーを中心としてプロモーションを展開。日本古来の麹に厳選されたボタニカル素材をあわせたスピリッツは、三和酒類株式会社の新たな扉を開きました。

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