経済
2018/07/06

食品初!GI認定「みやぎサーモン」で復興促進

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
養殖ギンザケ発祥の地である宮城。生食用養殖ギンザケの最高峰ブランドである「みやぎサーモン」は、ギンザケ本来のとろけるような甘さが味わえると人気が高まっています。おいしさの秘密は養殖ギンザケのメッカが培ってきた養殖技術と鮮度保持処理。おかげで、刺身で食べられる新鮮な高品質のサケが誕生しました。

三陸海岸の豊かな山と海が育んだ「みやぎサーモン」は国から「GI」認定を受け、輸出産品としてブランド化を推し進めています。ここでは「みやぎサーモン」の養殖技術やブランド戦略について紹介します。

なんと国内シェア9割!

サケの養殖は宮城から始まりました。1975年から3年をかけて養殖がスタート。その後、生産量は順調に推移して、2014年には国内養殖ギンザケ生産量の94%を占めるまでになっています。ギンザケは成長が早く丈夫で養殖しやすく、消費者の人気も高い魚です。

もともと日本にいる魚ではないため輸入に頼っていましたが、養殖技術の確立で市場にサケの少ない時期を狙って出荷することができるようになりました。こうした背景があって、1978年には生産量約80トンから始まった宮城の養殖ギンザケが国内シェア9割を超すまでに成長したのです。

ギンザケ養殖の流れ

宮城では1975年の養殖試験から試行錯誤を続けながら養殖技術を発展させてきました。まず、ギンザケは山間部にある養殖場で卵から稚魚まで成長します。毎年12月、ピンク色の卵にギンザケの目になる黒い点が現れて(発眼)、腹にオレンジ色の「油球」を付けた稚魚(仔魚)が3月には2センチメートルくらいまで成長するのです。

やがて「油球」も消えて、11月、体長約20センチメートル、体重約200グラムにまで成長したら、養殖場から海の生簀へと運ばれます。生簀のある石巻から南三陸沿岸は三陸リアス式海岸が続いており、波がおだやかでギンザケが成育するのに最適な環境です。

やがて春3月ともなるとギンザケは約1キログラムにまで成長。陸揚げしてすぐ加工場に直送されて出荷されます。養殖ギンザケのシーズンは3~7月。加工場でフローズン加工するので、サーモンのおいしさと鮮度をキープできるのが魅力です。

最高級ブランド「みやぎサーモン」のおいしさの理由

「みやぎサーモン」が高品質で高鮮度の訳は、次の2つの養殖技術にあります。

●EP飼料100%使用
配合飼料に魚粉や大豆、ミネラル類を配合したペレット状の餌を使っており、健康的なギンザケを育てることができます。EP飼料は養殖場でそのまま使えるだけでなく、一定時間海面に浮く性質があるため魚の食べ残しがなく生簀周辺の海の汚染防止につながります。また、生餌から来る生臭さを克服できるのもメリットです。

●鮮度保持処理
水揚げ時、キリでギンザケの中枢神経を破壊して血抜きをして海水タンクに漬け込みます。この「活け締め」や「神経締め」という処理技術によって、ギンザケ本来の甘さやとろっとした食感を残し、刺身で食べられるサケを実現できました。もともと宮城では養殖ギンザケを生食する習慣があり「みやぎサーモン」の登場は生食用の需要を掘り起こすきっかけにもなっています。

「GIマーク」は風土や伝統ある地域産品

2017年5月、「みやぎサーモン」は農林水産省から「GI」認定を受けました。「地理的表示保護制度」の略称である「GI」とは、地域が持つ伝統的な生産方法や風土に合わせて生産される産品を知的財産登録して国が保護する制度です。GI登録リストには夕張メロンや神戸ビーフ、特産松阪牛、下関ふくなどその地域を代表する特産品が並んでいます。

「みやぎサーモン」は養殖ギンザケ発祥の最高級サーモンであり、独自の養殖技術でクオリティの高い生食用養殖ギンザケの出荷を続けていることがGIとして評価されたといえるでしょう。

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