経済
2018/07/03

雪国の山形でレモンが採れる!?廃熱利用の果実栽培

(写真=Deborah Lee Rossiter/Shutterstock.com)
(写真=Deborah Lee Rossiter/Shutterstock.com)
レモンは、生産量日本一の広島や柑橘王国愛媛のように、温暖で雨の少ない地域でよく育ちます。実際、国産レモンの生産量はこの2県で約8割を占めるほど。レモンは寒さに弱いため、昔から関東以北では育てるのは非常に難しいと言われています。

家庭はもとより飲食店での需要も高いレモン。ここ数年国産レモンの需要が高まっており、栽培にチャレンジする農家が増えています。そんな中、1年の半分を雪で閉ざされる山形でレモン栽培に成功したというニュースは世間を驚かせました。露地栽培ではなくハウス栽培によるプロジェクト。ここでは、柑橘類の栽培が困難な東北に新たな特産品が生まれるまでのストーリーを追ってみます。

果実王国山形で柑橘類の栽培チャレンジが加速

山形の名産フルーツといえばさくらんぼ、ぶどう、ラ・フランスが知られています。寒冷地に適した果物のため夏でも冷涼な山形では甘くておいしい味に実ります。山形は果物王国ですが緯度が高いため、温暖な気候を必要とする柑橘類はほとんど栽培されませんでした。ところが、数年前から柑橘類の北限栽培にチャレンジしているのです。

山形で柑橘類の栽培の動きが生まれたのは、地球温暖化によって寒冷地の東北でも栽培の可能性が出てきたことや、全国的に国産レモンや高級ミカンの人気が高まっていることが背景にあります。

庄内地方で温州ミカンの実る光景

温州ミカンといえば愛媛や和歌山、静岡が有名ですが、遠く北の庄内地方の産地研究室では2014年頃から栽培・収穫に成功しています。庄内地方で柑橘類を栽培するきっかけは2010年、山形が地球温暖化に向けて新たな農作物を開発するプロジェクトがスタートしたことでした。

温州ミカンの栽培には平均気温15~18度が必要とされています。庄内地方の平均気温は12.7度のため一般農家が育てるにはまだ難しいのですが、今後の温暖化次第では山形の山間部にミカン畑が広がる可能性もあります。

産地研究室では数多くの柑橘類栽培にチャレンジしています。温州ミカンとスダチが順調に収穫できている一方、レモンは植え付け1年目で枯れてしまいました。やはり山形ではレモンの栽培は無理なのか。そんなときにスタートしたのが、山形大学のあるプロジェクトです。

>>(次ページ)山形大によるレモン試験栽培に注目
1 2
Page 1 of 2
PREV 全国で増え続ける「道の駅」と地域振興の実情
NEXT 離島に滞在して魅力発見!観光・交流促進「島あっちぃ」事業とは

公式Twitterアカウント