経済
2017/09/29

世界に羽ばたけ!愛媛が養殖マグロで初の「ハラール認証」を取得

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

愛媛は、全国的に見ても魚類養殖が盛んな地域です。宇和海に面した南予には養殖業者が集中しており、県外や海外へも出荷されています。とくに生産量全国1位のマダイやハマチといった高級魚の養殖は、力を入れている分野です。

2016年、愛媛の水産加工会社が養殖クロマグロとスマで初となる「ハラール認証」を取得しました。イスラム教の戒律に則った食生活のために重要なハラール認証によって、愛媛の養殖業界はどう変わっていくのでしょうか。養殖魚とイスラム圏が結びつくメリットについて紹介します。

ハラール認証とは

ハラール認証とは、イスラム教徒が厳しい戒律を守りながら食品選びをするための大切なシステムです。食べることを禁止されている豚やアルコールが、たとえわずかでも食品に混ざっていると、イスラム教の戒律に反してしまいます。

そもそもハラールとは、イスラム教の言葉で「清潔で安全な食べ物や行い」を指します。これはイスラムの神、アラーが決めたとされて、イスラム教徒が口にする食べ物はすべてハラールのものでなければなりません。食品そのものがハラールであることはもちろん、製造や加工の段階もすべてハラールの手順に沿ったものである必要があります。豚由来のエキスや油脂、アルコールを絶対に使用しないというのはその代表例です。

イスラム教徒が口にしても安心安全な食品であることを証明するのがハラール認証であり、国内では日本ハラール協会をはじめ複数の団体が認証審査を行っています。

イスラム圏のマーケット状況

基本的にイスラム教では魚を食べることを禁止していません。ただ、文化として刺身のように生で魚を食べる習慣はありませんでした。しかし、近年日本食の普及にともなって、東南アジアや中東といったイスラム圏の新興国で魚の需要が増加しています。サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)、また東南アジアの主要都市には日本食レストランがあり、刺身や寿司を食べる地元の人々の姿を目にすることができます。

そう、中東や東南アジア諸国の人々には、日本の食文化や食品を積極的に楽しみたいと考える層が増えてきているのです。

日本食でおなじみの高級魚をイスラム圏で販売すれば、世界人口の1/4を占めると言われているイスラムで、新たなマーケットを獲得することができます。そのためにも食品輸出分野におけるハラール認証への対応は重要課題なのです。

水産物で地域活性化を目指す「宇和島プロジェクト」

愛媛では古くからハマチやカンパチなどのブリ類やマダイ、クロマグロなど、回転寿司のネタとしても人気の高級魚の養殖を推進してきました。いまや愛媛の主幹産業の1つとして定着しています。しかし、魚離れなどによって水産物の需要は減少傾向にあります。

そんななか、県南部の宇和海を中心に、新たな水産物の開発を目指す動きがあります。その中心が、宇和島市にある水産加工会社「宇和島プロジェクト」です。同社は、大手回転寿司チェーンでヒット商品となった「みかんブリ」の開発元としても知られています。

>>(次ページ)ハラール認証にかける思い

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