経済
2019/08/19

軽いのに鋼鉄よりも硬い?夢の新素材「セルロースナノファイバー」で地方創生に期待

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
最近、木の繊維をナノレベルにまで細かくして生まれたセルロースナノファイバー(以下CNF)という素材が注目されています。CNFは環境への負荷が小さいバイオマス素材としても人気です。どのような用途があるのでしょうか。CNFの特徴とこれからの可能性について考察します。

軽くて硬いCNF!どんな用途に使われている?

CNFの一番大きな特徴は「軽いのに硬い」ことです。硬度はなんと鋼鉄のおよそ5倍を誇るにもかかわらず、重さは鋼鉄の5分の1と非常に軽いという特性があります。もともとは植物からできているため、工業製品に使用しても環境に与える影響が少なくて済むのです。いいことばかりのCNFですが、どのようなものに使われるのでしょうか。

塗料

CNFを塗料に添加するとチキソ性(撹拌している時は低い粘度、静止したら高粘度になる性質)により、垂れにくく塗りやすい塗料が完成します。垂れにくい塗料は壁面塗装などで役立つでしょう。また、CNFを塗料に添加することで、乾燥後の被膜強度が高い塗料になると考えられます。

カルボキシメチルセルロースの代替品

CNFは食品用添加剤・カルボキシメチルセルロースと同じ化学構造を持ちます。そのため、カルボキシメチルセルロースの代替品として、食品や化粧品用の添加物として利用することが可能です。

食品添加物用のCNFを用いると、その粘性や保水性によって、食品に新たな特徴を与えられるかもしれません。餅のやわらかな食感を維持したり、食パンの保水性を向上させたりと、おいしさを損なわない食品添加物としての活用も期待されています。

車からおむつまで

またその他にも、自動車の車体用、エアコンのフィルターやおむつなど、生活に関わるさまざまな用途での研究開発が進んでいます。

未来の素材、CNFはどこで作られている?

究極の素材といっても過言ではないCNFはどこで作られているのでしょうか。

2017年4月に日本製紙は宮城・石巻市にCNF工場を建設し、稼働させました。また、同年6月には静岡・富士市の富士工場、9月には島根・江津の江津工場を稼働させています。

それぞれの工場で食品・化粧品添加物用CNF、CNF強化樹脂など、さまざまな形態のCNFが生産されており、本格的な生産はすでに始まっているのです。日本各地でCNFを使った商品を目にすることが今後さらに多くなるでしょう。

>>(次ページ)木の繊維から作られるCNFは日本にぴったりの素材!
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